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消防法令の体系

「消防法は複雑で、どこに何が書かれているのか分かりにくい」
私が消防職員として勤務していた際、こうした声をよく耳にしました。
そこで、今回は消防法令の仕組みについて解説します。

消防法令とは?

消防法令は、火災の予防と対応を目的とした法律や規制の集合体です。日本における消防法令の体系は、以下のように構成されています。

1.消防法
基本的な法律
消防法は、火災の予防、危険物の取り扱い、消防用設備の設置、火災の警戒や調査など、消防に関する基本的な規定を定めています。
消防法は国会で制定されますが、細かい規定については専門家に委ねられています。

2.消防法施行令と施行規則
詳細な運用方法
消防法施行令と施行規則は、消防法の目的を達成するための具体的な運用方法や詳細な規定を定めています。
例えば、防火管理者については、消防法第8条で「一定の建物には防火管理者を選任する」と規定されています。
さらに、どのような建物に防火管理者が必要かについては消防法施行令第1条の2で定められています。
そして、その収容人員の算出方法は消防法施行規則第1条の3で細かく決められています。

3.地方自治体の火災予防条例
地域の特性に応じた条例
地方自治体は、その地域の特性に応じて独自の防火・防災に関する条例を定めています。
例えば、A市ではこうした規定ですが、B市では異なる規定といった具合に、地域ごとに独自のルールがあります。

4.まとめ
消防法令の体系は、基本法である消防法を中心に、その施行令・施行規則、地方自治体の条例、さらには地方自治体ごとの指針やガイドラインなどで構成されています。
これにより、総合的かつ具体的な火災予防と対応策が規定されていますが、逆に言えば複雑でわかりにくい面もあります。
建物の所有者や管理者、企業の防火管理者は、これらの法令を理解し、適切に実施することで火災リスクを低減する役割を担っています。
難しいことがわからない、面倒なことは任せたい!という方のために、しろくま行政書士事務所がサポートいたします。お気軽にご相談ください!

厳しい規制を受ける危険物施設

危険物施設と聞いてピンとくる方は、消防関係者か、関係する会社にお勤めの方ぐらいでしょうか…。

しかし、実は身近な場所にも危険物施設が存在しています。
今回は、私たちの身近にある危険物施設についてのお話です。

1. はじめに

危険物施設とは、火災や爆発などの災害を引き起こす可能性がある物質(危険物)を取り扱う施設のことを指します。
一番身近な施設はガソリンスタンドですね。
他には化学工場、危険物を保管する倉庫、危険物を運ぶタンクローリーも危険物施設に含まれます。

危険物施設の設置や運営には、厳格な法規制と許認可が必要です。
本記事では、危険物施設の許認可に関する基本的な情報をわかりやすく説明します。

2. 法的基準

日本では、「消防法」に基づいて危険物施設の取り扱いが規定されています。
消防法により危険物の貯蔵や取扱いに関する基準が定められており、これらの基準に従って危険物を貯蔵・取り扱う施設を設計し、運営する必要があります。

3. 許認可のプロセス

危険物施設の許認可を取得するための一般的な手順は以下の通りです。

・事前調査と計画
施設の設置場所や取り扱う危険物の種類・量を決定します。
危険物施設は学校や病院、重要文化財等の建物から一定以上の距離を離すか、防火上有効な壁を作るなどの対応が必要です。
そのため、事前調査は非常に重要です。

・申請書類の作成
許認可を得るための必要な書類を作成します。
これには、設計図面や施設の概要、危険物の取り扱い方法などが含まれます。
この段階で、管轄の消防との協議を実施しておくことが重要です。

・申請の提出
作成した申請書類を管轄の消防署に提出します。

・審査と検査
提出された書類に基づいて、消防が施設の設計や計画を審査します。
必要に応じて現地調査や検査が行われます。

・許認可の取得
審査を通過した場合、正式に許可証が交付されます。
これにより、消防から「この計画でOK」とのお墨付きが得られたことになります。
許可証交付後に何らかの変更がある場合には、再度変更の手続きを行う必要がありますのでご注意ください。
そして工事が完了し、消防の「完成検査」を受け、「完成検査済証」の交付を受けた後、晴れて危険物施設を使用できるようになります。

4. 注意点

・法令遵守
法令や規制を遵守しない場合、罰則や営業停止等の処分を受ける可能性があります。
定期的な点検や報告が求められることが多いため、常日頃から法令遵守に気を付けなければなりません。

・安全対策
事故防止のための安全対策を徹底することが求められます。
従業員への教育や訓練も重要です。

5. まとめ

危険物施設の許認可は、公共の安全を確保するために非常に重要な手続きです。
申請手続きや法令遵守は手間がかかりますが、これにより事故を未然に防ぐことができます。
適切な手順を踏み、確実に許認可を取得することが重要です。
弊所代表は、消防にて危険物の許認可事務に携わっておりましたので、危険物施設のことについてもお任せください!

防火管理って…何?

防火管理ってよく聞きますが何なのでしょう?

はい、防火管理とは、建物や施設で火災を予防し、万が一火災が発生した場合に迅速かつ適切に対応するための日常的な防火に関する点検や訓練、設備の維持管理などの業務のことを指します。
消防法により、防火管理を行わなければならない建物や具体的な内容が定義されています。
以下に、具体的な防火管理の内容について解説します!

1. 防火管理者の選任

防火管理者は、防火管理に関する責任を持つ人物です。
建物の用途に応じて、一定の人数以上の利用者がいる建物や施設では、防火管理者の選任が義務付けられています。
防火管理者は、防火に関する知識と技術を持つことが求められ、所定の講習を受ける必要があります。
ただし、一定以上の防火に関する知識や経験を持っていると認められるような資格や経歴がある場合は、講習が免除されることもあります。

2. 消防計画の策定

消防計画は、火災予防のための具体的な対策や手順を定めた文書です。
防火管理者が作成し、以下の内容を含むことが求められます。
・自衛消防組織に関すること
・消防用設備の点検に関すること
・避難通路、避難口などの維持管理に関すること
・収容人員の適正化に関すること
・防火に関する教育に関すること
・消火、通報避難の訓練の実施に関すること
・災害発生時の消火活動、通報、避難誘導に関すること

等々…結構ボリュームがありますね。

そして消防計画は建物ごとにオーダーメードで作成する必要があります。
そうでなければ、有事の際に実効性のない、ただのお飾りになってしまいますからね…。
消防計画は「実行性」を意識して作成することがポイントです。

3.防火管理の流れ

防火管理が必要と判断された場合、まずは有資格者の中から防火管理者を決めましょう。
防火管理者が決まったら、次に消防計画を作成します。
ここまで出来たら防火管理者選任届出書と消防計画作成届出書を管轄の消防署へ提出します。
防火管理者は事業所の従業員に対して消防計画を周知徹底し、その計画に沿って防火管理業務を行います。
これが基本的な防火管理業務の流れです。

最後に

防火管理は、火災から人命や財産を守るための重要な取り組みです。
適切な防火管理を実施することで、安心・安全な環境を作り出すことができます。

「火災なんてどうせ起こらない」という気持ちを捨て、いざという時に迅速に対応できるよう、常日頃から防火管理を意識しましょう。
消防計画の作成は、当所でもお手伝いしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

飲食店と消防法

保健所の手続きも終わり、いよいよ飲食店を開業する準備が整いました!

でも、その前に、消防への手続きはお済みですか?
飲食店を開業する際には、ほぼ確実に消防への手続きが必要となります。

今回は、消防分野に特化した行政書士が、飲食店が守るべき消防法のポイントとその重要性について解説します!

消防法は、火災の予防と被害の軽減を目的としています。
建物の構造、防火管理、避難経路の確保など、細かな規定があります。
ほとんどの飲食店はこの消防法の規制を受けます。

保健所の手続きが終わったからといって安心は禁物です。
まず、必要なのが「防火対象物使用開始届出書」の提出です。
これはお店を始める前に消防署に提出しなければなりません。
多くの場合、開業の7日前までに届出が必要です。
しかし、場合によっては他の届出も必要になることがあるので、余裕をもって準備することが重要です。

この「防火対象物使用開始届出書」を提出すると、消防署から必要な対応や設備について案内されます。
しかし、オープン日が決まっている場合、不備があると消防の検査に引っかかることや追加工事が発生することがあります。
事前にどのような準備が必要かを把握しておくことが望ましいです。

飲食店開業時に必要な対応

1.防火管理者の選任と消防計画の作成

建物全体の収容人員(従業員+お客様など)が30人以上の場合、防火管理者を選任する必要があります。防火管理者は、火災予防のための訓練や点検を行い、店舗全体の防火対策を管理します。
注意すべきは、30人以上というのは「お店の人数」ではなく「建物全体の人数」であるという点です。

2.消防用設備の準備

消火器、自動火災報知設備、スプリンクラーなどの設備を適切に設置することが求められます。
特に、別の用途から飲食店へ変更する場合は注意が必要です。
これらの設備は定期的に点検し、常に使用できる状態を保つ必要があります。

これらの準備は「お店の開業前」に行う必要があります。
また、厨房設備の容量によっては追加の届出が必要になることもあります。
飲食店経営者として消防法を遵守することは、店舗の安全を確保し、顧客や従業員の命を守るために極めて重要です。

しろくま行政書士事務所は、皆様の事業を応援すべく、法的な手続きや書類作成を代行します。
詳細や具体的な手続きについては、お気軽にご相談ください!