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防火対象物使用開始届について


2025年が始まりました!本年も宜しくお願いいたします!

昨年いただいたお問合せの中で、一番多かった内容が防火対象物使用開始届に関するものでした。
というわけで、こちらの届出がどんな性質のもので、どんな時に必要なのかについて解説していきます!

防火対象物使用開始届とは

防火対象物使用開始届は、新たに施設や店舗などを使用する際に、消防機関へ提出する必要のある重要な書類です。
この届出を適切に行うことで、消防法令への適法性が確保され、万が一の火災発生時に被害を最小限に抑えるための体制づくりが可能となります。

届出が必要な場合

防火対象物使用開始届の提出が必要となる主なケースは以下の通りです。

・新規開業: 飲食店や小売店など、新たに営業を開始する場合
・業態変更: 施設の使用目的が変わる場合(例:事務所からカフェへの変更)
・規模変更: 増築や改築によって施設の面積や用途が変更された場合
・新築または転居: 新築の建物での事業開始や、既存の施設から新たな場所への移転

これらの場合には、必ず事前に所轄の消防署(もちろん、しろくま行政書士事務所でもOKです)への確認を行い、届出が必要か確認してください。

提出の流れ

届出に必要な書類や図面を準備します。
状況により、他に必要なものがあったり、不要となる場合もありますが代表的なものは以下のとおりです。

・案内図(地図)
・配置図、平面図、立面図
・消防用設備の設置状況がわかる図面

管轄する消防機関の様式に従って防火対象物使用開始届を作成します。
書き方に不明点がある場合は、行政書士や消防署に相談するとスムーズです。

消防署へ提出完成した届出書類を所轄の消防署へ正本、副本2部提出します。
その際、必要に応じて現場確認や必要事項のヒアリングが行われる場合があります。

注意点

この防火対象物使用開始届の提出を怠ってしまったり、誤りがあったりすると、後日指摘を受けて改修をしなければならなくなってしまいますので、特に以下の点に注意が必要です。

・提出する図面や書類は、実際の施設に即した正確なものを用意してください。
 届出したものと、実際の現地の状況が異なっていた場合には再度提出をする必要があったり、消防法の規制が異なってしまい、追加で設備を設置しなければならなくなってしまうこともありますので注意が必要です。

・各市町村ごとの条例についての規制も確認する必要があります。
いわゆる「ローカルルール」です。こちらも事前に確認しておかないと、消防法令違反として指導を受ける可能性が出てしまいます。

しろくま行政書士事務所のサポート

しろくま行政書士事務所では、防火対象物使用開始届の作成から提出までをトータルサポートいたします。
書類の準備や消防署とのやり取りに不安を感じる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
スムーズな手続きを実現します!

消防訓練を実施しましょう!


消防訓練の重要性と効果的な実施方法

消防訓練、実施していますか?また、その訓練は正しく行えていますか?

消防訓練は消防法に基づき、実施回数や内容が定められています。
しかし、実際には「消防計画を立てたけれど、訓練はしていなかった」というケースも珍しくありません。

この記事では、必要な消防訓練の内容とその重要性について詳しく解説します。

消防訓練が必要な理由

消防訓練は、火災が発生したときに迅速で適切な対応ができるよう、従業員や居住者が必要な知識と技術を習得するための重要な機会です。
火災時に冷静に行動することで被害を最小限に抑え、命を守ることができます。

また、日頃の防火対策と併せて訓練を行うことで、緊急時に慌てることなく行動できる準備が整います。

消防訓練のポイント

消防訓練を効果的に実施するために、以下の4つのポイントを押さえましょう。

1. 訓練の内容を明確にする

消防法令で定められている基本的な訓練は以下の3つです:

消火訓練:消火器などの使い方を学ぶ
通報訓練:消防署への迅速な連絡方法を確認する
避難訓練:避難経路を確認し、安全に避難する方法を実践
実際の火災を想定したシナリオを作り、この3つを組み合わせた訓練を行いましょう。

2. 役割分担を決める

消防計画に基づき、緊急時の役割を事前に明確にしておきます。
訓練時には、それぞれが自身の役割を実践することで、責任の所在が明らかになり、効果的な訓練が可能になります。

3. 設備や備品の確認

訓練前に、使用する消火器、防火扉、非常放送設備が正常に作動するか確認しましょう。
併せて、事業所内の消防用設備の設置場所や避難経路も再確認してください。

4. 訓練後の振り返り

訓練後は結果を全員で共有し、良かった点や改善点を話し合いましょう。
この振り返りを次回の訓練に活かすことで、さらに効果的な訓練が行えます。
一般的な訓練の流れ

消防訓練を行う際の基本的な流れをご紹介します。

挨拶と訓練目的の説明
事業所に設置されている消防用設備の使用方法の確認
火災発生を想定した実地訓練
全員の避難完了の確認
訓練結果の評価と総括

まとめ

消防訓練は形式的なものではなく、職場や生活空間における防災意識を高める大切な取り組みです。
定期的に訓練を実施し、全員が緊急時に適切に行動できるよう準備しておきましょう。

しろくま行政書士事務所では、消防訓練のサポートも承っております。
初めての消防訓練や不安がある場合は、経験豊富なしろくま行政書士事務所にお気軽にご相談ください!

防火管理者の役割



「防火管理者を選任する必要があります」と言われて「え、何それ…」という方向けの記事です!


防火管理者は、飲食店や物販店、福祉施設など、事業所の用途に応じて選任の要件が異なります。
皆様の事業所で防火管理者が必要かどうかは、管轄の消防署で確認することができますので気になる方は問い合わせてみましょう。

では、その防火管理者は一体どんなことをしなければならないのか、その役割を解説していきます!

1,消防計画の作成と運用

・消防計画とは、建物内での火災を予防し、災害発生時に迅速かつ的確に対応するための計画です。

・防火管理者は、この計画を策定し、計画にもとづいて日常の火災の予防や、災害時の対応を行うことで防火管理を実現します。

2,設備や施設の点検と維持管理設備や施設の点検と維持管理

・消火器や火災報知機、避難経路など、施設内の防火設備を定期的に点検し、正常に機能する状態を維持します。

・問題が発生した場合には、迅速に修理や交換を手配します。

3,従業員への防火教育

・建物内の従業員に対して、火災予防や避難方法の教育を実施します。

・定期的な訓練を行い、非常時に迅速かつ的確な行動が取れるよう備えます。

4,緊急時の指揮統制

・火災や緊急事態が発生した場合には、現場の指揮を執り、避難誘導や消防機関への通報を行います。

・混乱を最小限に抑え、被害の拡大を防ぎます。

防火管理者が重要な理由

 火災は、人命や財産に甚大な被害を及ぼします。そのため、防火管理者が以下の点で非常に重要です。
・事故の未然防止:適切な防火計画や設備点検を通じて、火災発生のリスクを軽減します。
・安心できる環境の提供:従業員や利用者にとって、安全で信頼できる環境を整えます。
・法令遵守と責任:防火管理に関する義務を果たすことで、事業者としての社会的責任を全うします。

防火管理者の選任手続きやサポートについて

しろくま行政書士事務所では、防火管理者の選任や消防計画作成、防火管理に関するお悩み解決をサポートしています。
「防火管理者をどのように選任すれば良いのか分からない」や、「どこまでが防火管理者の責任範囲なのか知りたい」といった疑問にも丁寧にお答えします。
まずはお気軽にお問い合わせください。

火災リスクを最小限に抑え、安心・安全な環境を整えるお手伝いをいたします!

民泊と旅館業


民泊と旅館業

ややこしいですね…。それもそのはず、「民泊」という言葉は法律上定義された言葉ではないんですね。
一般的に民泊とは「住宅や共同住宅の全部又は一部を使用して宿泊サービスを提供する施設」のことを指しています。

よく「民泊は営業日数に180日の制限がある」とか、「旅館業は許可が必要だけど営業日数に制限はない」といったことを聞きますが、本来はこの180日制限の有る民泊も、旅館業も同じ「民泊」という言葉の中に含まれるのかもしれません。
ですが、民泊といえば180日制限の有る宿泊施設、旅館業と言えば180日制限のない宿泊施設、という認識が一般的に広まっているような気もします。
このあたりの解釈はさておき、今回は、この180日制限がある民泊と、営業日数に制限のない旅館業の許可を取得した民泊、それぞれの特徴をざっくりとご説明します!

1.法律上の位置付け

180日制限のある民泊は、「住宅宿泊事業法(民泊新法)」という法律に基づいて運営されます。
この法律により、年間で提供できる宿泊日数が180日以内に制限されているのが特徴です。
民泊を行う住宅宿泊事業者は区、市町村などに届け出を行う必要があります。
届出をする前に、管轄の保健所、消防署等へ事前相談を行い、施設に必要となる「設備の要件」や近隣住民への事前説明などの「必要な手続」を確認します。
とはいえ、用途地域や地区計画、さらには建築基準法による制限も受けるため、実際には実に様々な法令の要件を満たしていることが求められます。
保健所と消防に確認したから全部OK、というわけではないんですね。

一方、180日制限のない旅館業許可が必要な民泊では、施設の形態や規模に応じて以下の業態に分類されます。

①旅館、ホテル営業:伝統的な旅館やペンション、ホテルなど。
②簡易宿所営業: カプセルホテルやゲストハウスなどの簡易な宿泊施設。「旅館、ホテル営業」との大きな違いは、一つの部屋に多数のグループを宿泊させる形態であること。
③下宿営業: 長期滞在者向けの下宿施設。

これらの施設は全て、開業時に保健所の「許可」を取得する必要があり、衛生管理や防火設備の設置など、180日制限のある民泊と比べると厳しい規制をクリアしなければなりません。

特に気を付けなければならないのは建築基準法です。
なぜなら、一般住宅や共同住宅として建築された建物を旅館という用途に変更するとなると、容積率の計算方法が異なる(旅館の方が厳しい!)ため、指定の容積率をオーバーしてしまい、建築基準法令違反で「旅館業ができない」可能性もあるのです。
せっかくいい物件が見つかり、衛生設備、消防用設備もOKと思っていても、そもそもこの建物で旅館をすることが「出来ない」という恐ろしい可能性がありますので注意が必要です。

2.消防法の適用

住宅宿泊事業法上の民泊も、旅館業法上の民泊も、消防法ではどちらも宿泊施設(5項イ)として扱われるため消防法の規制として差異はありません。
どちらも、宿泊する人数や施設の構造によって、消防用設備の設置義務が発生します。
また、設備以外にも、一定人数以上を宿泊させる場合には、防火管理者の選任や消防計画の作成が必要であったり、カーテン類を防炎物品にしなければならないなどの規制もあります。

3.まとめ

180日制限のある住宅宿泊事業法上の民泊か、営業日数に制限のない旅館業法上の民泊、どちらを選ぶかは、運営者が提供するサービスの内容や規模に応じて決まりますが、それぞれの違いを理解した上での計画が大切です。
物件契約をした後に「実は許可が取れないことが分かった…」「180日営業できると思っていたら、用途地域の制限により土日しか営業できなかった…」といったことを避けるためには事前の確認がとても大切です。

民泊に興味が出てきたら、その際はしろくま行政書士事務所に是非ご相談ください!
専門家が迅速かつ確実に対応いたします!