なぜ規制や指導に地域差があるの?


前の消防署ではこう指導されたのに…

これは消防だけでなく、行政手続き全般において地域差が生じている背景の話です。
今回は、なぜ地域によって規制や指導に違いがあるのかについて解説します!

1. 火災予防条例の存在

 そもそも条例とは何かという話になりますが、条例は地方公共団体ごとに定められる自主法です。
 簡単に言えば、その地方公共団体の議会で、法律に反しない範囲で定められたその地方公共団体独自のルールです。
 よって、地域が異なれば、条例も異なるため、規制の内容や指導に地域差が生じるわけですね。
 しかし、消防法令の場合、地域差が大きすぎると不都合が生じるため、国から「火災予防条例(例)」という指針が示されています。
これは、消防法第9条によって「市町村条例で定める」とされた事項について、必要な規制の内容を網羅しています。 
つまり、各市町村はこの「火災予防条例(例)」を活用することで、消防法第9条の要請に応えることができます。
多くの市町村がこの「火災予防条例(例)」をベースにして条例を定めているため、地域差はあっても、規制が大きく異なるわけではありません。 
 例えば、A市では○○が義務付けられているのに対し、B市では△△が推奨されるに留まる、といった違いが見られます。
 各市町村は「火災予防条例(例)」を基にしながらも、その地域独自の事情に応じた条項を加えたり、規制を厳しくしたりすることで、独自の条例を作り上げているのです。

2. 行政指導指針の存在

行政指導指針は、地方公共団体が定める条例とは異なり、行政指導を行う組織(消防法に関することであれば消防本部)が定めるものです。
行政指導は、その行政目的を達成するために行われる指導のことで、法令とは違い、法的拘束力はありません。
つまり、従うかどうかは任意です。
ただし、任意だからといって無視して良いわけではありません。
中には法令で細かく定められていないことが、この行政指導指針で決められている場合もあります。
例えば、避難経路の確保や消火器の配置場所について、指針で具体的に指示される場合があります。
そのため、この指針に従わないと申請が通らなかったり、届出が正式に受理されなかったりすることもありますので注意が必要です。

3. まとめ

各市町村で定める条例や行政指導指針、これらが一般的にローカルルールと呼ばれるものの正体です。
したがって、手続きを行う際は、一般的な法令だけでなく、その地域特有の条例や指針を確認することで、速やかに、かつ確実に手続きを行うことができます。
手続きを誤ると再申請や追加費用が発生するリスクがあるため、地域の条例や指針を確認することが重要です。
ただでさえ複雑な法令に、さらに地域ごとのルールがあるなんて…と思われた方は、専門家に対応を依頼するのが確実です!
その際にはぜひ、しろくま行政書士事務所にご相談ください!専門家が迅速かつ確実に対応いたします!